服務規律に係る判例一覧

小田急電鉄事件(平成15年 東京高裁判決)
「懲戒解雇はやむを得ないものとされたが、懲戒解雇の理由となった行為の具体的内容と被解雇者の勤続の功などの個別的事情に応じ、退職金のうち一定割合を支給すべきものであるとして、本来の退職金の支給額の3割を支給すべきとされた。」

西日本鉄道事件(昭和43年 最高裁第二小法廷判決)
「企業が労働者の所持品検査を行うに当たっては、就業規則上の根拠規定の存在や労働者の過半数を代表する者の合意により当然に適法視されるものではなく、これを必要とする合理的理由にもとづいて、一般的に妥当な方法と程度で、労働者に対して画一的に実施されることが必要とされた。」

富士重工業事件(昭和52年 最高裁第三小法廷判決)
「同僚の就業規則違反の事実に関する調査への協力命令について、調査協力が職務内容である場合には労働者は調査協力義務を負うが、これ以外の場合には、調査対象である違反行為の性質等から総合的に判断して、調査協力が労務提供義務を履行する上で必要かつ合理的であると認められない限り、調査協力義務を負わないとされた。」

電電公社目黒電報電話局事件(昭和52年 最高裁第三小法廷判決)
「使用者が企業秩序維持の見地から就業規則により職場内における政治活動を禁止することは、合理的な定めとして許され、政治活動として行われた労働者の勤務時間中のプレートの着用行為は、職務上の注意力のすべてを職務遂行のために用い職務にのみ従事すべき義務に違反し、職務に専念すべき局所内の企業秩序を乱すものとされた。」

イースタン・エアポートモータース事件(昭和55年 東京地裁判決)
「使用者は、企業経営の必要上から容姿、頭髪等に関して合理的な規律を定めることができ、この規律は労働条件の一つとなって、労働者はこの規律に沿った労務を提供しなければならないものとされたが、乗務員勤務要領の「ヒゲをそる」旨の条項で規律されるのは、不快感を伴う「無精ひげ」や「異様、奇異なひげ」であって、本件労働者の口ひげはこれに該当しないとされた。」

日立物流事件(平成3年 浦和地裁判決
「使用者が労働者に対して行う所持品検査は、これを行う就業規則等の根拠規定が必要で、さらに、これを必要とする合理的理由に基づき、一般的に妥当な方法と程度で、職場の全労働者に対して画一的に実施される必要があるとされた。」

東谷山家事件(平成9年 福岡地裁小倉支部決定)
「使用者は企業秩序維持のための措置を講ずることができるが、その権限はおのずとその本質に伴う限界があり、労働者の髪の色、服装等に対する制限は、企業の円滑な運営上必要かつ合理的な範囲内にとどまるべきであるとされた。」

国鉄札幌運転区(国労札幌支部)事件(昭和54年 最高裁第三小法廷判決)
「企業は、職場環境を適正良好に保持し、規律ある業務運営態勢を確保するため、その物的施設を許諾された目的以外に利用してはならない旨を定め、指示、命令することができ、これに違反する行為をする者に対し、その行為の中止、原状回復等必要な指示、命令を発することができるとされ、使用者の労働者に対するロッカーへのビラ貼付の中止命令が正当とされた。」

明治乳業事件(昭和58年 最高裁第三小法廷判決)
「形式的に就業規則の規定に違反するようにみえる場合でも、ビラの配布が工場内の秩序を乱すおそれのない特別の事情が認められるときは、規定の違反になるとはいえず、本件ビラの配布の態様、経緯及び目的並びに本件ビラの内容に徴すれば、本件ビラの配布は、工場内の秩序を乱すおそれのない特別の事情が認められる場合に当たり、就業規則の規定に違反するものではないとされた。」


国鉄中国支社事件(昭和49年 最高裁第一小法廷判決)
「職場外でなされた行為であっても、企業の社会的評価の低下・毀損につながるおそれがあると客観的に認められる場合は、企業秩序の維持確保のためにこれを規制することが許される場合があるとされ、警察官に暴行を加え公務執行妨害罪が確定したことは懲戒事由に該当し、免職処分は裁量の範囲を超えた違法なものではないとされた。」

日本鋼管事件(昭和49年 最高裁第二小法廷判決)
「労働者が在日米軍に対する反対行動により起訴され、罰金刑を受けたことをもって「会社の体面を著しく汚した」とまではいえず、懲戒解雇事由にはあたらないとされた。」中国電力事件(平成4年 最高裁第三小法廷判決)「労働者が就業時間外に職場外で行ったビラの配布行為についても、その内容が企業の業務等に関し事実に反する記載等をしたもので、企業の円滑な運営に支障を来たすおそれがある等の場合には、使用者は企業秩序維持のために当該行為を理由として懲戒処分を行うことが許されるとされた。」

中国電力事件(平成4年 最高裁第三小法廷判決)
「労働者が就業時間外に職場外で行ったビラの配布行為についても、その内容が企業の業務等に関し事実に反する記載等をしたもので、企業の円滑な運営に支障を来たすおそれがある等の場合には、使用者は企業秩序維持のために当該行為を理由として懲戒処分を行うことが許されるとされた。」