出向中の権利義務に係る判例一覧

古河電気工業事件(昭和60年 最高裁第二小法廷判決)
「出向元が出向先の同意を得た上で、労働者に対し復帰を命ずる場合、特段の事由のない限り、当該労働者の同意を得る必要はないとした。」

杤木合同輸送事件(昭和62年 名古屋高裁判決)
「出向労働者と出向先との関係は、出向元との間に存する労働契約上の権利義務が部分的に出向先に移転し、労働基準法などの部分的適用がある法律関係(出向労働関係)であるとした。」

勧業不動産販売・勧業不動産事件(平成4年 東京地裁判決)
「出向先が出向元の実質上子会社であり、出向先には就業規則が存在しない場合、出向者は、出向先においても、親会社である出向元の就業規則の適用に同意しているものと解されるとした。さらに、出向元・先両社による降格等の懲戒処分を有効とした。」

ネスレ(旧ネッスル)日本・日高乳業事件(平成7年 最高裁第一小法廷判決)
「出向元も、労働契約上の当事者と同視しうる程度に出向労働者の労働関係上の諸利益に直接の支配力ないし影響力を及ぼしうる地位にあったということができる場合には、労働組合法第7条所定の使用者として救済命令の当事者となりうるとされた。」

横浜セクハラ事件(平成9年 東京高裁判決)
「賃金は出向元が支払っていたが、出向先の就業規則を適用する旨定めていた場合において、事業の執行に当たっては、出向先の指揮監督を受けていたというべきであるから、民法第715条に基づく使用者としての責任は出向先が負うべきとした。」

協成建設工場ほか事件(平成10年 札幌地裁判決)
「出向先、出向元ともに、労働安全衛生法第3条の安全配慮義務を負っているとした上で、出向先については過失の存在を認めたが、出向元については、労働者を休職扱いにしていた上、工事の施工方法等について、出向先を指導する余地はなかったとして、責任があるとは認められないとした。」

ニシデン事件(平成11年 東京地裁判決)
「出向元が賃金の支払を拒むには、出向に際して、賃金などを負担するのは出向先であるとの明示的又は黙示的な合意が認められなければならないとした。」