エスエス製薬事件(懲戒事由・懲戒の種類)

エスエス製薬事件(東京地裁昭和42年11月15日判決)
「就業規則に、けん責等の懲戒処分を行う前に使用者が労働者から始末書の提出を求めうる旨規定していることから、労働者が始末書の提出を拒否したことは「上長の指揮命令に従わず」との事由に該当し、懲戒処分の対象となるものとされた。」


[事実の概要]
医薬品製造を業とするY社の労働組合員であったXらが、無許可のまま職場から外出したことを理由とし、Y社はXらに始末書の提出を求めたが、Xらはこれを拒否した。そこでY社は就業規則の規定に基づき、Xらをけん責処分にふした。(その後Xらの行動がY社就業規則に定める懲戒事由に該当するとして、Y社はXらを昇給停止、出勤停止及び懲戒解雇処分に付している。)Xらは、これら処分が無効なものであり、Y社の従業員の地位を有していることの確認を求めて出訴した。

[判決の要旨]
XらがY社上司より始末書の提出を命ぜられ、これを拒否したことは当事者間に争いがない。そしとぇ、〈証拠略〉によれば。Y社就業規則44条2項には、けん責・昇給停止・出勤停止処分に付する場合には、あらかじめ始末書の提出を求め得る旨規定されているから、〈中略〉無断外出の件〈中略〉については、Y社上司から始末書の提出を命ぜられた以上Xらにおいてこれを提出すべき義務があるものというべく、これを拒否したことは就業規則47条11号「職務上上長のの指揮命令に従わず」に該当する。〈中略〉〈YがXらのけん責処分後更にXらが組合機関誌に虚偽の記載をし、同紙を配布したこと及び〉始末書不提出があったことを理由として原告らに対して行った本件昇給停止、出勤停止処分はいずれも有効といわざるを得ない。