募集の際の労働条件と実際の労働条件の相違に係わる判例一覧

八洲測量事件(昭和58年 東京高裁判決)
「求人票に記載された基本給額は「見込額」であり、最低額の支給を保障したわけではなく、将来入社時までに確定されることが予定された目標としての額であると解すべきとし、確定額が見込額を下廻ったからといって、直ちに信義則違反を理由に見込額による基本給の確定という効果をもたらすものではないとされた。」


千代田工業事件(平成2年 大阪高裁判決)
「求人票記載の労働条件は、当事者間においてこれと異なる別段の合意をするなど特段の事情がない限り、雇用契約の内容になるものと解するのが相当とされた。」


株式会社丸一商店事件(平成10年 大阪地裁判決)
「求人票記載の労働条件は、当事者間においてこれと異なる別段の合意をするなどの特段の事情がない限り、雇用契約の内容になるものと解すべきであるから、求人票記載のとおり、会社が退職金を支払うことが契約の内容になっていたとされた。」


日新火災海上事件(平成12年 東京高裁判決)
「会社の人事担当者は、面接及び会社説明会において、給与条件につき新卒採用者と差別をしないとの趣旨の抽象的な説明をしたと認められるが、なお、雇用契約上、新卒同年次定期採用者の平均的格付けの給与を支給する旨の合意が成立したものとは認めることはできないとされた。しかし、かかる説明は、雇用契約締結過程における信義誠実の原則に反するものであって、不法行為を構成するものとされた。」


中田建材事件(平成12年 東京地裁判決)
「会社が面接の際に、公共職業安定所に掲示した求人票とは異なる内容の雇用条件を提示して労働者との間で雇用契約を締結したからといって、そのことから直ちに会社に詐欺が成立するということはできないとされた。」


わいわいランド事件(平成13年 大阪高裁判決)
「業務委託の不成立を理由とする解雇は有効であるが、業務委託に関する交渉経過等を説明することなく、それが成立するものとして雇用契約を勧誘し、これにより労働者らを失職させたことが、不法行為に当たるとして、将来の賃金相当分(5か月分)の損害賠償請求が認められた。」