採用・採用内定に係わる判例一覧

採用の自由
三菱樹脂事件(昭和48年 最高裁大法廷判決)
「企業者は、経済活動の一環としてする契約締結の自由を有し、自己の営業のために労働者を雇傭するにあたり、いかなる者を雇い入れるか、いかなる条件でこれを雇うかについて、法律その他による特別の制限がない限り、原則として自由にこれを決定することができるとされた。」


慶大医学部附属厚生女子学院事件(昭和51年 最高裁第三小法廷判決)
「憲法14条、19条、21条のいわゆる自由権的基本権の保障規定は、私人相互間の関係について適用ないし類推適用されるものではないとして、思想、信条等を間接の理由とする不採用決定を有効とした原審の判断を認容した。」


採用内定
大日本印刷事件(昭和54年 最高裁第二小法廷判決)
「大学卒業予定者の採用内定により就労の始期を大学卒業直後とする解約権留保付労働契約が成立したものとされた。採用内定の取消事由は、採用内定当時知ることができず、また知ることが期待できないような事実であって、これを理由として採用内定を取消すことが解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ社会通念上相当として是認することができるものに限られるとされた。」


電電公社近畿電通局事件(昭和55年 最高裁第二小法廷判決)
「採用内定により労働契約の効力の始期を採用通知に示された採用の日とする解約権留保付労働契約が成立したものとされた。採用を内定したのち、条例等違反の現行犯として逮捕され、起訴猶予処分を受ける程度の違法行為をしたことが判明したとして、留保解約権に基づき採用内定を取り消すことは、解約権留保の趣旨、目的に照らして社会通念上相当として是認することができ、解約権の行使は有効とされた。」


インフォミックス事件(平成9年 東京地裁決定)
「採用内定期間において、以前勤めていた会社に退職届を提出した労働者が、会社からの経営悪化等を理由とした職種変更等の申入れに対して、職種を変更するならば試用期間を放棄するよう申し入れたこと等をもって、採用内定を取り消すことは、解約留保権の趣旨、目的に照らしても、客観的に合理的なものとはいえず、社会通念上相当と是認することはできないとされた。」