労働者のプライバシーに係わる判例一覧

HIV感染者解雇事件(平成7年 東京地裁判決)
「使用者といえども労働者のプライバシーに属する事柄についてはこれを侵すことは許されず、労働者のプライバシーに属する情報を得た場合にあっても、これをみだりに第三者に漏洩することはプライバシーの権利の侵害として違法となるとされた。」


関西電力事件(平成7年 最高裁第三小法廷判決)
「労働者のロッカーを無断で空けて私物を写真に撮影したりした等の行為は、労働者のプライバシーを侵害し、労働者の人格的利益を侵害するものであり、不法行為を構成するとされた。」

T工業(HIV解雇)事件(平成12年 千葉地裁判決)
「事業主であっても、特段の必要性がない限り、HIV感染に関する労働者個人の情報を取得し、または取得しようとしてはならず、特段の必要性もないのにHIV抗体検査等を行うことはプライバシーの権利を侵害するものというべきであり、また、検査の必要性が認められる場合であっても本人の同意も得ずに検査等を行うことは許されないとして、使用者の損害賠償責任を認めた。」


F社Z事業部(電子メール)事件(平成13年 東京地裁判決)
「社内ネットワークシステムにおける労働者の電子メールの監視については、監視の目的、手段及びその態様を総合考慮し、監視される側に生じた不利益とを比較衡量の上、社会通念上相当な範囲を逸脱した監視がなされた場合に限りプライバシーの侵害となるとし、本件監視行為はこれに該当せず、労働者らが法的保護(損害賠償)に価する重大なプライバシー侵害を受けたとはいえないとして、使用者の不法行為責任を認めなかった。」


日経クイック情報事件(平成14年 東京地裁判決)
「社内における誹謗中傷メールの送信者であると合理的に疑われる労働者について、使用者が管理するファイルサーバ上の私用メールを調査することは、違法な行為とはいえないとされた。」