有期労働契約・雇い止めに係わる判例一覧

東芝柳町工場事件(昭和49年 最高裁第一小法廷)
「各労働契約は、期間の終了ごとに当然更新を重ねて実質上期間の定めのない契約と異ならない状態で存在しており、雇止めの意思表示は実質において解雇の意思表示に当たり、その効力の判断に当たっては解雇に関する法理を類推すべきものであるとした原審の判断を認容した。」


日立メディコ事件(昭和61年 最高裁第一小法廷判決)
「ある程度の継続が期待されている雇用関係においては、労働者を契約期間満了によって雇止めするに当たっては、解雇に関する法理が類推され、解雇であれば解雇権の濫用等に該当して解雇無効とされるような事実関係の下に使用者が新契約を締結しなかったとするならば、期間満了後における使用者と労働者間の法律関係は従前の労働契約が更新された場合と同様となるとした。」


平安閣事件(昭和62年 最高裁第二小法廷判決)
「有期雇用契約について、期間の定めは一応のものであっていずれかから格別の意思表示がない限り当然更新されるべきものとの前提のもとに、雇用契約が存続・維持されてきたものとして、期間満了によって本件雇用契約を終了させるためには、雇止めの意思表示及び従来の取扱いを変更して雇用契約を終了させてもやむを得ないと認められる特段の事情の存することが必要とした。」


角川文化振興財団事件(平成11年 東京地裁決定)
「有期労働契約の期間満了後において、労働者が引き続き労務に従事し使用者がこれを知りながら異議を述べない場合は、民法第629条第1項により黙示の更新がされ、以後期間の定めのない労働契約として継続されるとした。」


丸子警報機事件(平成8年 長野地裁上田支部判決)
「最も重要な労働内容が同一であること、一定期間以上勤務した臨時社員については年功という要素も正社員と同様に考慮すべきであること、その他本件に現れた一切の事情に加え、使用者において同一(価値)労働同一賃金の原則が公序ではないということのほか賃金格差を正当化する事情を何ら主張立証していないことも考慮すれば、女性臨時社員の賃金が、同じ勤続年数の女性正社員の8割以下となるときは、その限度において使用者の裁量が公序良俗違反になるとした。」


日本郵便逓送事件(平成14年 大阪地裁判決)
「同一労働同一賃金の原則は、一般的な法規範として存在しているとはいいがたいのであって、一般に、期間雇用の臨時従業員について、正社員と異なる賃金体系によって雇用することは、正社員と同様の労働を求める場合であっても、契約の自由の範疇であり何ら違法ではないとした。」


安川電機八幡工場(パート解雇)事件(平成14年 福岡高裁決定)
「有期契約労働者の契約期間中の解雇について、事業の縮小その他やむを得ない事由が発生したときは契約期間中といえども解雇する旨定めた就業規則の解釈にあたっては、解雇が雇用期間の中途でなされなければならないほどのやむを得ない事由の発生が必要であるというべきとした。」


モーブッサン・ ジャパン事件(東京地裁平成15年4月28日判決)
「有期労働契約の契約期間中において、いつでも30日前の書面による予告の上、本件契約を終了することができる旨の記載をした労働契約書により契約を締結した者に対する契約期間中の解雇について、解雇の理由がやむを得ない事由(民法第628条)に当たるとは認められないため無効とした。」