休職に係わる判例一覧

アロマカラー事件(昭和54年 東京地裁決定)
「休職期間満了当時、労働者が、受傷前に従事していた業務に耐えられないと認められたことから、当時労働者は復職可能な状態にあったとは言えず、「休職期間を経過して復職をされないとき」に該当する場合は「退職とする」旨の就業規則に基づき、当然に退職になったとされた。」


 石川島播磨重工業事件(昭和57年 最高裁第二小法廷判決)
「労働者が逮捕、勾留されたために30日間欠勤したことから、使用者が労働者を事故休職に付し、30日間の事故休職期間が満了したがなお勾留中であったためになされた退職扱いを有効とした原審の判断を認容した。」

エール・フランス事件(昭和59年 東京地裁判決)
「後遺症の回復の見通しについての調査をすることなく、また、当分の間は一部の業務を行わせながら徐々に通常勤務に復させていく配慮を全く考慮することなく、復職不可能と判断した使用者の措置は妥当なものとは認められず、休職期間満了による退職取扱いが無効とされた。」


富国生命保険事件(平成7年 東京高裁判決
「傷病(頚肩腕障害)を有する労働者に対して使用者が行った無給等の不利益を伴う休職命令について、傷病の内容、程度が通常勤務に支障を生ずる程度のものであったとは認められず、就業規則に定める休職事由に該当しないとされた。」


全日本空輸事件(平成11年 東京地裁判決)
「労働者が起訴された事実のみで形式的に起訴休職の規定の適用が認められるものではなく、当該労働者の継続就労により企業の対外的信用が失墜し、又は企業秩序の維持に障害が生ずるおそれがあるか、あるいは労働者の労務の継続的な給付や企業活動の円滑な遂行に障害が生ずるおそれがある場合でなければならず、また、休職による労働者の不利益が、起訴事実が確定した場合に行われうる懲戒処分と比較して明らかに均衡を欠く場合ではないことを要するとされ、休職処分が無効とされた。」


東海旅客鉄道事件(平成11年 大阪地裁判決)
「労働者の職種・業務内容が限定されていない場合には、休職前の業務について労務の提供が十全にできないとしても、配置換え等により現実に配置可能な業務があればこれを指示すべきとされ、復職不可との判断に基づきなされた本件退職扱いは、就業規則に反して無効とされた。」


岡田運送事件(平成14年 東京地裁判決)
「就業規則には休職の定めがあるところ、使用者が休職期間を待たずに労働者を解雇したことについて、使用者には休職までの欠勤期間中解雇するか否か、休職に付するか否かについて裁量があり、この裁量を逸脱したと認められる場合に解雇権濫用として解雇が無効となるとされたが、本件では休職期間を経過したとしても就労は不能であったのであるから、解雇権の濫用になるとはいえないとされた。」


カントラ事件(平成14年 大阪高裁判決)
「労働者が運転者として職種を特定して雇用された場合、その労働者が従前の業務を通常の程度に遂行することができなくなった場合には、原則として、労働契約に基づく債務の本旨に従った履行の提供をすることはできない状況にあるものとされた。」