出向の有効性に係わる判例一覧

出向の要件
日東タイヤ事件(昭和48年 最高裁第二小法廷判決)
「労働者の合意のない限り、使用者は労働者に対して、出向を当然に命令することはできないとした。」


興和事件(昭和55年 名古屋地裁判決)
「三社一括で採用を行っている会社間での出向につき、就業規則上出向に関する規定がおかれ、社内の出向手続も制度として確立し、それに従い多数社員が出向していた実績があった。」


新日本製鐵(三島光産)事件(平成12年 福岡高裁判決)
「業務上の必要がある場合には社外勤務させることがある旨就業規則上に規定されており、出向期間その他出向者の処遇等を定めた社外勤務協定が労働組合との間に締結されていた。」

新日本製鐵(日鐵運輸)事件(平成12年 福岡高裁判決)
「個別の承諾がない場合においても、出向が実質的に労働者の給付義務の内容に大きな変更を加えるものでない場合や、承諾と同視しうる特段の根拠がある場合には、出向を違法と解するのは相当でないとした。」


川崎製鉄事件(平成12年 大阪高裁判決)
「業務上の必要があるときには出向を命ずることができる旨の規定があり、細則を定めた出向協定が存在し、過去十数年にわたって従業員が出向命令に服しており、さらに、労働組合による出向の了承もあった。」


新日本製鐵(日鐵運輸第2)事件(平成15年 最高裁第二小法廷判決)
「業務上の必要によって社外勤務をさせる旨の規定が就業規則上にあり、労働協約において、出向労働者の利益に配慮した詳細な社外勤務協定が存在した。」


人事権の濫用
JR東海出向事件(昭和62年 大阪地裁決定)
「出向対象者の人選が合理性を有し、妥当なものでなければ、出向命令は人事権の濫用として無効になるとした。」


新日本ハイパック事件(平成元年 長野地裁松本支部決定)
「出向命令が、これをなさざるを得ない合理的理由が見当たらないばかりか、家庭生活上重大な支障を来たすものであるにも拘わらず、会社はなんら配慮した形跡がないとした。」


東海旅客鉄道(出向命令)事件(平成6年 大阪地裁決定)
「出向先の作業が、肉体的・精神的に負担が重く、腰痛等の持病がある者にとっては、退職をも考えざるを得ないものであり、無効とされた。」